着物を着る機会が減り、着用方法や必要なアイテムを知らない方も多いでしょう。たとえば、着物を着るときは、日常的に使用する下着とは異なり、専用の下着があることをご存じでしょうか。そこで本記事では、着物を着るときに悩みがちな下着について、どのような物を着用すべきか、防寒対策などを解説します。
和装の際にぴったりな下着がある
普段着に使用する一般的な下着は、体の凹凸を強調してスタイルをよく見せたりするのに役立つものです。バストの位置を高くしてウエストのラインを強調してくれたり、下腹部が出ている部分をなくして、バストとヒップのメリハリをつけてくれたりするため、洋服はもちろん、ドレスを美しく着るのにも相性がよいでしょう。
しかし、着物を日常的に着用していた時代は、下着を使用せずに着ることが一般的でした。というのも、着物は寸胴体型が美しいとされ、凹凸を強調させる目的のインナーとは相性があまり良くないため、何もつけずに着用されていた背景があります。
しかし、現代では、和装専用の下着があります。具体的には、上半身に着る「肌襦袢」と下半身に着る「裾よけ」そして上下が一体となったワンピース型の「肌襦袢」があります。
これに加えて、肌襦袢と着物の間に袖口から見える程度の長さの「長襦袢」が着用されます。長襦袢は、着物が直接肌に触れるのを防ぐ役割があり、汗や皮脂などの汚れから着物を守るために、吸汗性に優れた綿100%の素材が使われるのが一般的です。
このように、一般的な下着とは異なる専用のインナーがあり、より美しく着こなすのに役立ちます。
着物姿を美しくする下着の選び方
美しい着こなしを実現するためには、インナー選びが重要なポイントの一つとなります。ここでは、着選びのポイントを以下にご紹介します。
まず、胸が強調されない形状のブラを選ぶことがポイントの一つです。肌襦袢の下にブラジャーを着用する際は、ワイヤー入りのブラジャーは避けるようにしましょう。胸をボリュームアップする効果があるブラジャーは和装には不向きであり、むしろワイヤーの入っていないノンワイヤーブラやナイトブラの方が王取るが目立たなくなり美しい着こなしとなります。また、吸汗性に優れた綿100%の素材を選ぶと汗をしっかり吸収し、快適な着心地を維持できるでしょう。
ブラだけでなく、ショーツにもポイントであり、透けない色とデザインのものを選ぶのがおすすめです。たとえば、裾すぼまりの美しいシルエットを演出するため、腰骨下をきつめにしめることがあり、その際、装飾や色が派手なショーツだとデザインが透けてしまうことがあります。そのため、できるだけ装飾が少なくいショーツやボクサー型のものを選ぶことがおすすめです。
そのほか、襟元や袖から見えない肌着を選ぶこともポイントです。着物を着る際、インナーで防寒対策をする方も多いですが、ちょっとした隙間から下着が見えて、せっかくの美しい姿が残念な印象になることも少なくありません。
インナーを選ぶ際には、袖口や襟元から見えないデザインを選ぶようにしましょう。また、寒さ対策が必要な場合は、襟元から見えないキャミソールを選ぶことで、見え方を気にする必要がなくなります。
下着でできる防寒対策
一般的な防寒対策ができないため、寒さが苦手な方にとって冬場の着用は辛く感じることがあるでしょう。とくに、真冬に行われる成人式では振袖を着るのは一般的となっていますが、どのように対策すべきか疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
洋服をコーディネートするときに使うコートやダウンなどを着用することはできないため、中からの防寒対策が必要になります。たとえば、足先の冷えが気になる方には、着物用の靴下がおすすめです。足袋の形状をした靴下なので、足袋や草履を履く際もしっかりフィットしてくれます。ロングタイプのものを選ぶと膝下までカバーしてくれるため、冷気の侵入を防ぐことができます。
また、スパッツやレギンスも寒さ対策として活用できます。着物の裾から見えてしまわないように、短めのものを選ぶか、着物の丈やデザインに合わせて選びましょう。そのほか、保温性の高いインナーを着物の中に着るのも選択肢の一つです。その際、襟元から見えないデザインのものを選ぶと、着物姿を美しく保ちながら暖かさをキープできます。
これらの下着を上手に活用することで、着物を着ながらも快適に寒い冬を過ごすことができます。しっかりと防寒対策を行って、着物姿を楽しんでください。
まとめ
普段着用する機会の少ない着物は、適した下着などが以外と知られていません。一般的な下着は、華やかな装飾が施されており、スタイルをよく見せるためにワイヤーなどが使われていますが、凹凸のない着こなしが美しいとされる着物とはあまり相性がよくありません。
そのため、着物を着るときは、肌襦袢や裾よけなどの専用のインナー着用するようにしましょう。また、選び方にもポイントがあるため、美しく着こなすためにもポイントを押さえて、最適なインナー選ぶようにしてください。
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