着物を着る日に雨が降ってしまったら、外出に不安を感じる方も多いでしょう。着物はデリケートな素材で作られているため、雨によるダメージを防ぐための対策が必要です。この記事では、雨の日に着物で外出する際の注意点やお役立ちアイテム、雨対策の方法についてくわしくご紹介します。安心して着物を楽しむためのヒントをぜひご覧ください。
着物着用時にできる雨対策!
雨の日に着物を着る際には、特別な対策が必要です。ここでは、着物を守るためのさまざまな雨対策をご紹介します。これらの対策の実践で、雨の日でも安心して着物を楽しむことができます。
着物について
水に強く、色落ちや縮む心配が少ないため、雨の日にはポリエステル素材の着物が最適です。もし泥はねで汚れても洗濯機で洗うことができます。ほかの素材の着物なら、パールトーン加工などの撥水加工を施しておくと安心です。
さらに着物の上から雨コート(あまコート)を着用するのもよいでしょう。雨コートは着物専用のレインコートで「一部式」と「二部式」の2種類があります。
一部式は上下一体型の長コートで、かんたんに羽織ることができ、急な雨でも安心です。二部式は上下分離型で、小雨なら上半身のみ、大雨なら上下ともに着るなど、状況に応じて柔軟に対応できます。
着付けについて
着付けで裾を少し短くするのも雨の日に着物を守るための一工夫です。裾をクリップで固定すれば、泥はねや水はねによる汚れを防ぐことができます。
きものクリップや大きめの紙クリップを使用すると、着物に挟んだ跡が残りにくくおすすめです。さらに、上から雨コートを羽織れば、裾をまくっている部分は外から見えなくなります。
小物について
足元はもっとも濡れやすいため、草履や足袋の選び方は重要です。小雨程度なら晴雨兼用草履でも十分ですが、雨よけカバー付きの雨草履(あめぞうり)ならひどい雨の中でも移動しやすくなります。
草履カバーという取り外し可能なナイロンカバーもおすすめです。コンパクトに携帯できるメリットがあります。また、撥水足袋や撥水足袋カバーを履いておくと、足元が濡れにくく快適に歩けます。
荷物を持ち歩くときは、撥水のエコバッグや雨用のサブバッグなど、濡れても問題ないバッグを用意しておくと安心です。色柄を雨コートとそろえておくと、見た目も違和感がありません。
濡れても問題ないバッグがないときや、お気に入りのバッグでお出かけしたいときは、ポリエステル素材の撥水風呂敷でバッグを包むと雨から守ることができます。
その他の小物
手ぬぐいや風呂敷は、濡れた部分を拭くのに役立つため、複数枚用意しておくと安心です。洗えない帯を覆ったり、濡れた草履を包んだりするのにも便利です。また、雨コートを着ていても雨から着物を完全には守りきれないため、体全体を覆うことができる大きめの傘(65cm以上)を選びましょう。
移動のときの注意点
目的地まで遠い場合はタクシーなどの濡れにくい移動手段を選び、なるべく屋根のある場所で乗り降りするのがおすすめです。また、雨の日は地面の水や泥がはねやすいため、濡れにくい歩き方の意識も大切です。がに股や内股で歩くのは避け、小さな歩幅で足の指先に力を入れるように歩きましょう。
雨で着物が濡れてしまったら?
できれば雨の日に着物で外出は避けたいものですが、予期せぬ雨に見舞われて着物が濡れてしまうこともあります。ここでは、着物が濡れてしまった場合の対処法をご紹介します。
水分は早めに拭き取る
着物が雨に濡れたら、もっとも重要なのは水分を早めに拭き取ることです。とくに絹は非常に繊細なため、濡れたまま放置すると生地が傷んだり色あせたりする原因になります。乾いた布で濡れた部分をやさしく拭き取ります。
このとき、強く叩かない・押しつぶさない・こすらないように意識しましょう。焦らず、やさしく叩くようにしてそっと水分を吸収してください。
もし泥はねが付いている場合は、叩いたり無理にこすったりすると汚れが広がる可能性があります。まずは水分だけを吸収し、着物が乾いた後にお手入れブラシなどで少しずつ汚れを落としましょう。
通常より長めに陰干しする
一見雨に濡れていないように見えても、雨の日に着た着物は湿気を含んでいます。そのままにするとカビやシミの原因となるため、帰宅後は必ず着物を干しましょう。
直射日光が当たると色あせる可能性があるので、風とおしのよい場所で陰干しすることが大切です。型崩れを防ぐためにも、2~3日程度陰干しした後に収納しましょう。
こんなときはクリーニング店や専門店に依頼しよう
自分で対処が難しい濡れ具合や汚れがある場合は、自己判断でお手入れせず、悉皆屋(しっかいや)さんなどの専門店への相談をおすすめします。
対処が遅れると着物の状態が元に戻らなくなる可能性があるので、広範囲に濡れている部分があったり、お手入れ後に輪ジミができたりした場合は一刻も早くクリーニング店や専門店に依頼しましょう。
レンタルの予約をしている方は早めに連絡を!
台風の接近や大雨でない限り、多くの方はお出かけを決行するようですが、レンタルの予約をしている方は万一に備えて以下のポイントを押さえておくと安心です。
汚れ補償サービスに加入する
多くの着物レンタル店では、汚れ補償サービスを提供しています。追加オプションで加入できるところもあれば、レンタル料金に含まれている場合もあります。
このサービスに加入しておけば、ちょっとした汚れでも追加料金はかかりません。レンタルを検討する際には「汚れ補償サービス」があるかどうかを確認しておくとよいでしょう。
日程変更はお早めに!
事前に当日の天候がわかっているときは、早めに連絡しましょう。七五三や成人式などのイベントで予約がとくに集中しやすい時期では、希望日に変更できない可能性があります。
また、直前のキャンセルとなると、高額なキャンセル料金が発生することが多いため、日程変更の可能性が出てきた時点で、すぐに着物レンタル店に確認すべきです。フォトスタジオや神社など、ほかの施設に連絡が必要な場合も同様に早めの連絡を心がけましょう。
まとめ
雨対策をきちんとすれば、雨の日でも着物を美しく着こなすことができます。もし雨で着物が濡れてしまった場合は、早めに適切な対処で着物を美しい状態に保つことができます。また着物をレンタルする場合は、汚れの補償サービスの加入が可能か確認しましょう。雨の日の外出がより楽しく、安心できるものになるよう、ぜひこれらのポイントを参考にしてください。
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