七五三を3歳の男の子が祝うようになったり、欧米で定番のハーフバースデーを日本でも祝うようになったりと、祝いごとの内容ややり方は時代とともに変化しており、京都で伝統的なイベントである「十三参り」も全国に広がりつつあります。そこで本記事では、十三参りの意味や由来、服装などを解説します。
十三参りを行う意味・由来
数え年で13歳(満年齢で12歳)になった男の子と女の子が、虚空蔵菩薩とされる第13番目の菩薩様を本尊とする、お寺や神社にお参りする伝統的な行事です。京都を中心とした関西地方で広がり、現在では東京を含む関東地方でも行われるようになったため、現在では全国的に認知される行事となりました。
そして、現在行われている十三参りは、子どもたちが13歳まで無事に成長し健康であったことに感謝し、新たな人生の節目に対する祝福の意味合いを持ちます。数え年の13歳は、生まれて初めて干支が1周して厄年となる重要な時期でもあり、このタイミングでお参りするよう決められています。
さらに、虚空蔵菩薩は無限の知恵と慈悲を持つ仏様とされているため、行事を通して虚空蔵菩薩から知恵を授かり、将来の成長や学びに対する祈りが込められているのも特徴です。
十三参りをする際の服装
成人式といえば振袖というイメージがある通り、馴染みのある行事は服装がセットで認識されているケースも多いですが、十三参りはあまり馴染みがなく、どのような服装をすべきかわからない方も多いでしょう。
まず、男の子の場合、和装が正式な服装です。とくに大人の男性の正装としても使われる、紋付羽織袴が一般的となっています。ただ、紋付袴洋装にこだわる必要はなく、洋装のスーツや落ち着いたデザインの私服、学校の制服などでも問題ありません。
そして、女の子の場合は、振袖または訪問着などの着物が一般的な正装です。中には成人式で着る着物を使うことで「これから成長する」という意味を込める方もいますが、大人用の着物をサイズ調整して用意しなければなりません。和装にこだわらないケースも多く、その場合は、スーツやワンピースの洋装や学校の制服などを着用するのが一般的です。
また、ご両親の服装も特定の規定はありませんが、主役は子どもであるため、フォーマルながらも子どもの服装よりは格式を抑えたものを選びましょう。和装の場合、ママは付け下げや訪問着、パパは羽織袴が適しています。洋装の場合は、スーツやワンピース、パパがスーツやジャケットが適切でしょう。
子どもが主役と認識し、派手なデザインやアクセサリーは避けるのがおすすめです。子どもが和装で両親が洋装といったように、服装のテイストが異なることが問題になることはありませんが、子どもより「格上になってはいけない」という点を考慮して選ぶよう心掛けましょう。
十三参りでは何をするのか
行事の内容や服装についてわかったものの、具体的に何をするのかわからない方も多いでしょう。一般的には受付、奉納、祈祷の流れでお参りを行いますが、より具体的に解説します。
お寺や神社で受付をする
子どもたちが、祈祷をしてもらいます。祈祷は神仏にお祈りする儀式で、13歳まで無事に成長した感謝と今後の健康を願います。
祈祷を受けるためには、まずお寺や神社で受付を済ませる必要があり、その際に祈祷料が必要です。神社やお寺によって料金が異なるうえに予約が必要なケースもあるため、スムーズに受付できるよう事前に情報を確認しておきましょう。
漢字の奉納をする
次に漢字の奉納を行います。これは「一字写経」と呼ばれる伝統的な参拝方法を模したものです。半紙に一文字だけの漢字を書いて奉納します。例えば「福」「知」「幸」といった字がよく用いられますが、漢字が決められているわけではありません。本人が心に響く漢字を選び、誠意を込めて書くことが大切です。
祈祷を受ける
漢字を持ち、本殿に上がって祈祷を受けます。神社やお寺によっては祈祷後にお守りやお札を授けてくれることがあります。お守りやお札のご利益は一般的に1年が目安とされているため、受け取ったら1年間、大切に保管しておきましょう。期限が切れたら、お礼参りとともにお寺や神社に返納するのがおすすめです。
お寺や神社を出る
祈祷が終わったら神社やお寺を出ますが、その際、振り返らないようにしましょう。というのも、振り返ると神様から授かった知恵や福徳を返してしまうと考えられているため、振り返らない方がよいと考えられているのです。
どこでお参りをするのかによりますが、たとえば、京都の法輪寺では「渡月橋を渡り切るまで振り返らない」ことがよいとされています。
まとめ
十三参りは、子どもたちが13歳まで無事に成長し健康であったことに感謝し、新たな人生の節目に対する祝福の意味合いを持ちます。さらに、将来の成長や学びに対する祈りも込められており、子どもの大切な節目として祝うのがおすすめです。
あまり馴染みのない行事かもしれませんが、格式高い行事であるため、服装にもこだわるとよいでしょう。また、十三参りでの基本的な流れが決まっているため、スムーズに行うためにも何をする日なのかを子どもと確認しておくことをおすすめします。
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