草履は日本の伝統的な履物のひとつであり、着物とあわせて使用されることが多いです。草履を選ぶ際には、適切なサイズや高さ、フィット感などさまざまなポイントから選ぶことが大切です。本記事では、自分にぴったりな草履を選ぶにはどうすればよいか、その注意点をくわしく解説します。
ベストな草履のサイズ・高さ
草履を選ぶ際の基本的なポイントのひとつは「かかとのはみ出し具合」です。一般的には、かかとが草履台(底)から1~2cmほどはみ出す大きさのものがベストとされています。
これは、きものの裾を踏んでしまうのを防ぐためです。また、足全体がすっきりと見えるため、着物姿を美しく保つことができます。「草履の幅」にも注意が必要です。足の小指が少しはみ出す程度の幅の草履を選ぶと、美しいとされています。
これは、足全体が適度に収まり、歩きやすさと見た目のバランスがよいためです。しかし、きものや草履に慣れていない人にとっては、かかとがはみ出している草履は歩きにくさや足の痛みを感じさせる場合があります。
そのため、初心者はかかとがほとんどはみ出ないサイズの草履を選ぶとよいでしょう。ただし、かかとが完全に草履台に収まるような大きさのものは避けた方がよいです。大きすぎる草履は、全体のバランスが悪く、着姿が野暮ったく見える原因となります。
そして「草履のかかとの高さ」も重要な選択ポイントです。一般的に、カジュアルな場面では5cmまでの低めの草履を、フォーマルな場面では5cm以上の高めの草履を選ぶとよいとされています。
この理由は、着物の裾の長さとの関係にあります。フォーマルな場面では、きものの裾を長めに着る傾向があり、かかとが高い草履を履くことで裾が地面につきにくくなります。
逆に、カジュアルな場面では裾を短めに着るため、かかとが低い草履がおすすめです。とはいえ、カジュアルにきものを楽しむ際には、このような決まりにとらわれすぎる必要はありません。
裾を長めに着るのが好きな場合は、かかとが高めの草履を履くとよいでしょう。小柄な人はかかとが高めの草履を履くことでバランスがよく見えますし、逆に長身の人はかかとが低めの草履がおすすめです。
試着時にチェックすべきポイント
快適に履ける草履を選ぶためには、試着時にいくつかのポイントのチェックが重要です。以下に、草履を試着する際に注目すべきポイントをご紹介します。
1. サイズ感
先述したとおり、草履のサイズ感は非常に重要です。かかとや小指がどの程度はみ出すかをチェックしてください。草履は少し小さめに感じることが多いですが、かかとが少し出るくらいが理想です。
かかとが大きくはみ出すと見た目が悪く、歩きにくくなる可能性があります。また、小指の位置も重要で、あまりはみ出しすぎないようにしましょう。
2. 鼻緒のフィット感
鼻緒がきついと痛いと思われがちですが、実はそうとは限りません。反対に鼻緒がゆるいと、履いているうちに足の重心が前に行きやすくなり、鼻緒が親指と人差指の間に食い込んで痛みを引き起こすことがあります。
鼻緒のフィット感は非常に重要で、親指と人差指の間でしっかり挟み込むのではなく、指の先で軽く挟む程度がベストです。鼻緒がきつすぎず、ゆるすぎないものを選ぶようにしましょう。
3. クッション性
草履のクッション性は、履き心地に大きな影響を与えます。慣れないうちは、比較的クッション性の高い草履を選ぶと足が痛くなりにくく、長時間歩いても疲れにくいです。
草履の素材によってクッション性は異なるため、試着時に実際に歩いてみて足裏の感触を確かめましょう。試着室内で数歩歩くだけではなく、少し長めに歩いてみて足が痛くならないか、安定して歩けるかの確認がおすすめです。
4. 素材と季節感、TPO
季節やTPOに応じた素材を選ぶことで、見た目だけではなく快適さも向上します。夏場は涼しげな麻や綿の素材、冬場は温かみのあるウールや合成皮革の草履が適しています。
また、フォーマルな場面では高級感のある素材を選びましょう。判断に迷ったら、お店のスタッフに相談し、持っている着物の写真を見せながら選ぶと適切なアドバイスを受けられます。
5. デザインと全体のバランス
きものや帯とのコーディネートを考慮し、全体のバランスがよいデザインを選びましょう。草履の色や柄がきものにあっているか、トータルコーディネートの中で浮いていないかを確認してください。また、装飾が施されている場合は、それが場にふさわしいかどうかも重要です。
鼻緒がきつくて痛くなったときはどう対処すべき?
鼻緒がきつくて足が痛くなるという問題は、多くの人が経験する悩みのひとつでしょう。鼻緒がきつくて痛くなったとき、一番簡単で即効性のある方法は、鼻緒と台の間に手を入れて、上に持ち上げるようにしてゆっくりと引っ張ることです。
これだけで、鼻緒が少しゆるみ、足への圧迫感が軽減されます。また、日にちに余裕がある場合は、専門店への調整の依頼もおすすめです。専門店では、鼻緒の調整を専門的に行っており、足にぴったり合った状態にしてくれます。
ただし、調整が可能なのは草履の裏に鼻緒を通す穴があるタイプのものだけです。草履の裏が靴のような「軽装履き」と呼ばれるタイプでは、専門店での調整はできません。
軽装履きは鼻緒を持ち上げてゆるめるか、長時間履くことを避けるべきです。慣れないうちは無理をせず、こまめに履き替えたり、足を休めたりすることが大切です。室内で短時間ずつ履いてみるなどして、徐々に足を慣らしていくとよいでしょう。
まとめ
草履の選び方には、サイズや高さ、用途に応じたポイントがあります。かかとが1~2cmはみ出すサイズ、足の小指が少しはみ出す幅、そしてフォーマルとカジュアルに応じた高さの草履を選ぶことが基本です。また、自分のスタイルや体型に合わせて選ぶことも大切です。初めて草履を履く人は、少し控えめなサイズを選ぶとよいでしょう。自分で試し履きをすることも重要ですが、お店の人に相談しながら、自分に合った草履を見つけて、着物のおしゃれを楽しんでください。
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